ストーリー
きみの音を、消さないために
音が、そのまま災いになる時代。人々は静けさを求め、音を管理する街で暮らしている。消えかけた少女たちの“こえ”に、あなたはどう耳を澄ますのか——封印でも、救世でもない。選ぶのは、受けとめ方。
近未来。感情の臨界に触れたとき、“響き”は崩れ、災いへと変わる。人の声も、街のざわめきも、行きすぎればすべてが刃になりうる。だから人々は静けさを買い、音を切り詰め、静音都市・湊響(みなとひびき)に身を寄せて暮らしている。ここでは、声を張ることが少しだけ怖い。
その静けさを崩すのが、音響災害〈鳴禍(めいか)〉だ。ひとつの巨大な破局ではなく、街のあちこちで、静かに、散発的に起こる。そしてその起点には、しばしば一人の少女がいる。声に力を宿した少女——〈謳精(おうせい)〉。彼女たちの力の形は、一人ひとり違う。共鳴、追憶、不協和。だれの声も、同じようには響かない。
音響部の高校生・結城 奏(ゆうき かなで)は、ある日、無音のただ中で消えかけた少女の“こえ”に手を伸ばした。後天的に芽生えた稀な才能——少女の“こえ”に周波を合わせる〈同調(どうちょう)〉。それは彼だけの専売ではないけれど、たしかに彼のものになった。忘れられ、薄れ、社会から静かに消えていく少女たちと向き合う日々は、その一日から始まった。
力に飲まれた少女は、やがて声を失い、表情を失い、輪郭を失う。凶暴になるのではない。ただ、いなかったことになっていく。それを〈失声(しっせい)〉と呼ぶ。奏にできるのは、力を封じ込めることではない。彼女たちの響きを、受けとめること——〈共奏(きょうそう)〉。恋の成就という一本道でもなければ、劇的な奇跡でもない。少しずつ、かたちを変えながら、それぞれのやり方で。
あなたが選ぶのは、力を消すことではなく、その音とどう向き合うか。5人の少女の“こえ”のうち、どれに耳を澄ますのか。凪ぎ際の、その一瞬に。
物語のはじまり
ここから先、あなたの選択が物語を変えていく。ネタバレのない、導入の輪郭だけを。
静けさを売る街
音が災いになる時代。人々は静音都市・湊響で、切り詰めた音とともに暮らしている。声を張ることが、少しだけ怖い街。
消えかけた声にふれた日
音響部の高校生・結城 奏は、無音のただ中で、消えかけた少女の“こえ”に手を伸ばす。その一日が、すべての始まりだった。
同調という才能
後天的に芽生えた、少女の“こえ”に周波を合わせる稀な力〈同調〉。彼だけのものではない。それでも、たしかに彼のものになった。
5人との出会い
共鳴、追憶、不協和——力の形は一人ひとり違う。声を失いかけた5人の少女たちと、奏はそれぞれの静けさの底で出会う。
あなたが選ぶ受けとめ方
封じるのでも、救うのでもなく、受けとめる〈共奏〉。どの声に耳を澄ますのか。凪ぎ際の、その一瞬をあなたが選ぶ。